書架とラフレンツェ

読書記録メモです。ネタバレがバリバリです。

2015-01-01から1年間の記事一覧

高速で論文がバリバリ読める落合先生のフォーマットがいい感じだったのでメモ

(図書館学系の話題でもあるからちょっと悩んだけれど、文献読解全般に関する内容だからこちらへ) 既に日々論文をバリバリ読んでいるひとには今更な記事だろうけれど、分野ごとの違いもあって興味深かったのでざっくり記録する。 論文を大量に読む際に、頭か…

それでもあなたは弱者に仕える - エヴァ・フェダー・キティ『愛の労働 あるいは依存とケアの正義論』

先生にこの本をご紹介いただいたのはもう半年以上前のことでしたね。 すっかりお返事が遅くなり、申し訳ありませんでした。 愛の労働あるいは依存とケアの正義論 作者: エヴァ・フェダーキテイ,Eva Feder Kittay,岡野八代,牟田和恵 出版社/メーカー: 白澤社 …

暴力・愛・没入 -- 井戸ぎほう『夜はともだち』

偶には腐女子らしくBL本の感想でも。 夜はともだち (POE BACKS Babyコミックス) 作者: 井戸ぎほう 出版社/メーカー: ふゅーじょんぷろだくと 発売日: 2014/11/22 メディア: コミック この商品を含むブログ (4件) を見る 男子学生2人のBL。真性ハード系ドMの…

そろそろ「プログラマー35歳定年説」を徹底論破しとくか

世の中に流布している「プログラマー35年定年説」は、大きく以下の3つに分類できる。 プログラマーは激務なので、35歳を過ぎると体力低下のために続けられなくなる(体力低下説) プログラマーは常に新しい情報を吸収しなければならないが、35歳を超えると脳の…

日本人の宗教観はどこまで外国人と違うのか

ISISによりイスラム教の存在感が日本でも(あまり喜ばしくない意味で)大きく膨らんだ。元々日本人にはなじみの薄かったイスラム教だが、その教義と宗教文化の特徴的な面が大きくクローズアップされ、信仰心を持たないとされる多くの日本人には珍しいものとし…

なぜ、お金持に増税してはいけないの?

トマ・ピケティ『21世紀の資本』が大人気で、今のわが国では「格差」がホットな話題のひとつとなっている。そして格差を是正するために累進課税を勧め再分配を強化するべきだ、いやそんなことをするとお金持の勤労意欲が下がって国外に脱出してしまうから駄…

採用で失敗しない、たった一つの冴えたやり方

読む時間がない人向けまとめ 職務記述書を書け できるだけそれに近いことをやったことがある人間を採用しろ 承前・職務記述書の話 採用シーズンも終わりかけの頃にこんな記事を書いて申し訳ないが、記憶の生々しい時期の方がいいと思ってさ。 そもそも採用を…

嘘つきヤリ捨て男にムカついたときのおススメ小説&映画

世の中には甘言を弄して女の子を騙し、ヤリ捨てする男がいるようだ。そのようなクソ男が一日でも早く絶滅してくれればと願うが、現実ではなかなかそうはいかない。 合法的な手段、あるいは非合法的な手段でボコボコにするというやり方もあるけれど、今回は報…

それでも「好きなことで、生きていく」。慈悲はない。

※言いたいことはラスト2行です。 本記事のタイトルは言わずと知れたYoutubeの、あの有名コピーだ。この言葉に対しても、この言葉が登場する以前にも、「好きを仕事に」するやり方は一定の羨望や嫉妬を絡めつつその是非やハウツーが議論されてきた。例えば最…

やる気とモチベーションは関係ない

タイトルは半分くらい釣り。やる気ってのはやる気のことで、モチベーションとは「やる気を起こさせるような刺激、動機づけ」のことだけれど、やる気とモチベーションは「実はそれほど密接には」相関がない、ということで。 本記事は 「今後のIT企業における…

企業に成長戦略は必要か

経営改善というテーマについて口酸っぱく言われる施策のひとつに「成長戦略を作成し、それを全社員で共有しよう」という話がある。たとえば『How Google works』でも、冒頭部分に「まともな企業としての体裁を整えるため」数値目標はないものの、Googleのこ…

橘玲『タックスヘイヴン』幻冬舎

本著者の十八番である国際金融ミステリ。とは言ってもゴリゴリのハードな金融話ではなくて、主軸となっているのは人間ドラマだ。そんなところも実に橘玲らしい。 古波蔵佑と牧島慧のダブル主人公で、交互に話が進んでいく。二人は高校の同級生で、古波蔵はプ…