哲学のとっつきやすい本一覧
マシュマロで
「哲学に興味があります。小説、詩、専門書、論文など形態は問いませんので、なにか取っ付きやすそうな本があればおすすめしてほしいです。」
というご質問を頂いたのでこちらで回答します。
(なおマシュマロはこちらです; りりぱ文庫にマシュマロを投げる | マシュマロ)
もし哲学史に興味があるのであれば、つまりモンティ・パイソンの哲学者サッカーを見て笑えるようになりたいのであれば、いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』をおススメします。
同書は哲学史の丁寧な入門書シリーズである『現代思想の冒険者たち』シリーズのために、四コマ漫画の名手いしいひさいちが書き下ろした哲学者マンガです。各哲学者の思想やエピソードがコンパクトな4コマに収められ、楽しく笑いながら哲学史を学ぶ指針を得られます。
もし哲学に興味がある、つまり人間や世界というものについての霊的な探求をしたいのであれば、あんまりとっつきやすくはないかもしれませんが思考への情熱を駆り立てる本がおススメです。以下の2冊は現代的な諸問題に対して網羅的で骨太ながら専門知識がなくとも読み進められ、かつ思考への強力な動機づけをしてくれるという点で強くおススメします。
- 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/06/19
- メディア: ハードカバー
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なお、こうした本はほかにもたくさんあります。以下に挙げる本はやはり哲学への招待に向いたとっつきやすい本として紹介されることも多い名著ですが、いくつかの理由からそれほど強くはおススメしません。もしどれを先に読もうか悩む時があれば、ご参考までにどうぞ。
読みやすいカウンセリングブックではありますが、哲学ではありません。哲学したいという主眼からはずれるのではないかと思います。
刺激的な面白い本ではあるのですが論旨の網羅性に欠けます。西洋キリスト教史についての知識がないと同書の主張をいまいちくみ取れないか、誤解してしまうのではないかと思います。
「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用 (岩波現代文庫)
- 作者: アラン・ソーカル,ジャン・ブリクモン,田崎晴明,大野克嗣,堀茂樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 文庫
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現代思想史について相応の知識がないと面白いとは思えないです。これを読めと言ってくるひとには警戒しましょう。
哲学史を学ぶにしろ哲学をやるにしろ、面白くやるコツは「推しを見つける」と「学んだことを実践してみる」です。哲学は意外と実践的な知が多いので、ぜひ色々試してみてください。